過電流ブレーカーの構造・動作原理は?

悩む人
過電流ブレーカーってどういう原理で動いているの?
筆者
ということで、今回は、過電流ブレーカーの動作原理と構造について、解説していきます!
広告

過電流ブレーカーの動作原理別の種類

過電流ブレーカーには、いくつか種類があります。

次の図のように、大きく熱動式、電磁式、熱動+電磁式、電子式の4つがあります。

ブレーカーの動作原理

過電流ブレーカーの構造と動作原理

過電流ブレーカーの構造と動作原理を詳しく解説していきます。

広告

熱動式

熱動式は、バイメタルという熱によって変形する部品を使って遮断動作をするブレーカーです。

バイメタルとは、次の図のように、膨張率のことなる2つの金属を重ねてくっつけた構造をしています。

このバイメタルが熱せられると、金属の膨張率の違いによって、大きくなる度合に違いが生じて湾曲します。

バイメタルの説明

このバイメタルがブレーカーの中に入っていて、次のように動作することで電路を遮断します。

熱動式ブレーカーの動作原理
  1. 過負荷によりバイメタルが熱せられる
  2. バイメタルが湾曲
  3. ブレーカーの接点を止めていた、ラッチ(かけ金)が外れる
  4. 電路が、遮断される
  5. バイメタルが元の状態に戻り、ハンドルは中立位置になる

動作をアニメーションで表すと、次のようになります。

熱動式の動作

電磁式

広告

電磁力の説明

電磁式は、コイルに電流が流れると、磁力が発生することを利用してトリップバーを作動させ電路を遮断するブレーカーです。

電磁力には、次のような特徴があります。

電磁力の特徴
  • コイルに電流が流れると発生する
  • 電流が大きいほど電磁力も大きくなる
  • コイルの中に鉄心が入ることで、電磁力が大きくなる

電磁力を図で表すと、次のようになります。

電磁力の説明図

電磁式の動作原理

電磁式は、この電磁力を用いて、動作しますが、過負荷時と短絡時で動作の方法が異なります。

過負荷時の動作
電磁式ブレーカーの動作原理(過負荷時)
  1. 過電流が継続的に流れると、プランジャが磁力の力を受ける
  2. 磁力の力により、プランジャが可動鉄片側へ移動
  3. プランジャがコイルの中へ入ると、磁力が急激に増加
  4. 磁力により、可動鉄片が引き寄せられる
  5. トリップバーが動作し、遮断

過負荷時の電磁式の動作は次のようなイメージです。

過負荷時の動作
短絡時の動作

短絡事故の場合は、大電流が流れるためプランジャの移動を待たずにすぐに遮断することが必要です。

そのため、過負荷時とは動作が異なり、次のように動作します。

電磁式ブレーカーの動作原理(短絡時)
  1. 短絡事故などにより、ブレーカーのコイルに大電流が流れる
  2. 大電流により、コイルに強力な磁場が発生
  3. プランジャの移動を待たずに、瞬時に可動鉄片が吸着
  4. トリップバーが動作し、回路が遮断

短絡時の電磁式の動作は次のようなイメージです。

短絡時の動作

熱動式+電磁式

熱動式は、バイメタルの特性上、過負荷時の動作に適しています。

電磁式は、短絡事故など大電流でも遮断可能です。

そこで、熱動式と電磁式のいいとこ取りをしたブレーカーが熱動式+電磁式ブレーカーです。

基本的な動作は先に説明した熱動式、電磁式の動作と同じで、過負荷時には、バイメタルが変形し、それによってトリップバーを動作させます。

また、短絡時には、コイルに大電流が流れて磁力が発生し、可動鉄片が動くことで、トリップバーを動作させます。

構造は、次のようになっています。

熱動式+電磁式の構造

電子式

電式式は、電流検出用のCTと電子回路を組み合わせて電路を遮断するブレーカーです。

特長として、電子式は、電子回路により、電流の大きさを検出し、それに合わせて動作時間を変えることができるものもあります。

動作原理は次のようになります。

電子式ブレーカーの動作原理
  1. CTで電路の電流を検出
  2. 電流検出回路で電流を検出
  3. 電流の値が動作値以上であれば、トリガー回路を動作させる
  4. トリガー回路の動作により、トリップコイルに電流が流れる
  5. トリップコイルが磁化されてスイッチが動作

動作を図で表すと次のようになります。

電子式の動作原理

さいごに

今回は、ブレーカーの動作原理について、解説しました。

普段は、あまり意識することがないブレーカーの動作原理ですが、電路を保護する重要な存在なので、知っておいてもいいと思います。

広告