こんな悩みを解決します。
- 保安管理でやってはいけないこと
- 大事故につながる行為
この記事の目次
電気保安でやってはいけないこと
電気の保安での操作においてやってしまうと大事故につながる行動があります。
では、どんな行動がやってはいけないのか説明していきます。
CTの二次側を開放する
CTは次の図のように二次側は短絡して使用しますが、これを開放してしまうと二次側に過電圧が発生してしまいます。
それによって、二次巻線が絶縁破壊を起こし短絡回路が発生し、焼損事故につながることがあります。
また、高電圧により感電の恐れもあるため非常に危険です。
CTは次の図のよう二次側は短絡した状態にしておきます。
CTは一次巻線と二次側巻線の比と二次側の電圧・電流の関係は次のようになります。
この式から、CTは計器などで測定しやすくするために二次側の巻き数を増やして、二次側の電流値を落としていることがわかります。しかし、逆に二次側の巻き数を増やしてしますと二次側の電圧は一次側に比べて増えます。
もし、CTの二次側を開放してしまったら、増大した電圧がかかってしまし、アークの発生などにより大事故につながることは容易に想像できるでしょう!
VTの二次側を短絡する
VTの二次側を短絡すると、二次側に過電流が流れ、二次巻線が焼損してしまいます。
さらに、二次巻線の焼損が一次巻線の絶縁破壊をまねき、最終的には相間短絡につながって大事故につながります。
図で示すと次のようになり、二次側は短絡ではなく、開放状態で使用します。
断路器を負荷が乗っている状態で切る
断路器はより確実な無電圧回路を作り出すためにも、無電圧状態で電路から切り離すことを目的としています。
負荷がある状態で、切り離そうとすると、アークが発生し、大事故につながる可能性があります。
このため、次の図のように電源側と負荷側のどちらも切ってから断路器を遮断するようにしましょう。
電圧がある状態で断路器を切ることを通称「断路器の生切り」といい、断路器の生切りは絶対にやってはいけないので覚えておきましょう。
LBSをゆっくり操作する
負荷が、ある状態でも遮断できるLBSですが、実はゆっくり投入しようとすると非常に危険です。
LBSをゆっくり投入しようとすると、アークが発生し接触部分が焼き付き半投入状態になってしまいます。
LBSを投入する際は、思い切って勢いよくやりましょう。
事故事例
CTの二次側を開放したまま使用した結果、電流計切替器が焼損した事例です。
このまま使用し続けていたら、高圧機器が絶縁破壊を起こし大事故につながる恐れがありました。
電流切替器からの異音に気づいた作業者がCTの二次側を無理やり短絡した結果異音が収まり大事故を防げましたが、CT二次側開放の怖さがわかる事故事例だと思います。
このように、実際に今回上げた危険行為により、事故が多発していますので、高圧機器を扱う人は十分に注意しましょう。
さいごに
電気の保安管理では、このようにやってはいけない危険行為が存在していますので、どんな行為が危ないか認識して事故のないように作業してくださいね!
さいごに、電気の保安業務でやってはいけないことをまとめると次のようになります。
- CTの二次側を開放する
- VTの二次側を短絡する
- 断路器を負荷が乗っている状態で切る
- LBSをゆっくり操作する