この記事の目次
動力用変圧器の選定
まずは、動力用変圧器の選定方法について解説します。
最大需要電力がわかっているかどうかで選定方法が少し変わってきますので、それぞれで見ていきましょう。
今回は、既存設備を使っているところへ、新たに機器を導入する場合に変圧器容量が足りるかを調べる場合を考えます。
最大需要電力がわかっている場合(動力編)
最大需要電力がわかっている場合は、次の図のように求めることができます。

求めたSTrと既存の変圧器の容量を比べて、既存の変圧器の容量のほうが大きければ設備は導入できます。
おおむね、前に述べた決め方で決めれると思いますが、最後に補足すると、動力変圧器では、突入電流も考慮する必要があります。
突入電流が大きい機器を複数台同時に投入してしまうと、瞬間的に変圧器容量をオーバーしてしまう可能性があります。
最近の機器であれば、インバーター制御などで、突入電流がそれほど大きくない機器も多いですが、突入電流が大きい機器が複数ある場合は、複数台同時に投入しないなどの運用の工夫が必要になります。
最大需要電力がわからない場合(動力編)
最大需要電力は長期間測定する必要があり業者に依頼が必要なことが多いので、もし最大需要電力がわからないときは負荷の合計から次のように求めます。

ただし、負荷の合計から求める場合は、需要率を掛ける必要があります。
需要率は、最大使用電力kVAを設備容量kVAで割った値のことですが、今は最大使用電力がわからない状況なので、需要率は想定の値を入れて計算します。
大まかに言って、どれくらいの設備を同時に使うのかということなので、わからない場合は0.8~1くらいで計算するとおおむねよいでしょう。
需要率が1ということは、設備をすべて同時に使うことを意味します。
求めたSTrと既存の変圧器の容量を比べて、既存の変圧器の容量のほうが大きければ設備は導入できます。
最後に、最大使用電力からもとめた場合と同じように、突入電流についても考慮しましょう。
電灯(単相)用変圧器の選定
続いて、電灯(単相)用変圧器の選定方法をみてみましょう。
電灯用変圧器も動力の時と同様に最大使用電力がわかっている場合と、そうでない場合に分けて考えます。
最大需要電力がわかっている場合(電灯編)
まずは、測定によって最大使用電力がわかっている場合を考えます。
求め方は、次のように求めます。

見ての通り、電灯回路の求め方はとてもシンプルです。
なぜかというと、電灯回路では力率が悪くなることがほとんど無いため力率を無視して考えることができるからです。
これで求めた必要な変圧器容量STrと据え付けている変圧器の容量を比べて、据え付けている変圧器の容量のほうが大きければ、新しく設備を導入できるということになります。
最大需要電力がわからない場合(電灯編)
続いて、最大需要電力がわからない場合の求め方です。
最大需要電力がわからない場合は、次のように負荷の合計定格電力から求めます。

動力の場合と同じように、負荷の合計に需要率を掛ける必要があります。
需要率は、その設備をどれだけ同時に使うかということなので、わからない場合は0.8~1くらいにしておくといいでしょう。
最後に、求めた変圧器の必要な容量STrと既存設備の変圧器容量を比べて、既存設備の変圧器容量のほうが大きければ設備を導入することが可能です。
さいごに
今回は、設備を導入する際の変圧器容量の確認方法について解説しました。
工場の電気主任技術者をしていると、設備を導入したいから変圧器容量確認してと頼まれることも多いです。
その際は、この記事を参考に変圧器に必要な容量を計算してみてください。