300kVA以下の受電設備では実務経験が2年で管理技術者になれる?

悩む人
300kVA以下の受電設備では実務経験が2年で電気管理技術者になれるの?
筆者
制度上は2年でも電気管理技術者になることが可能ですので、どうしたら2年でなれるのか解説していきます。

電気事業法施行規則の変更事項

電気事業法施行規則の一部が変更されてそれにより、第3種電気主任技術者の場合、電気管理技術者になるためには5年の実務経験が必要なところを2年の実務経験で電気管理技術者になることが可能となりました。変更内容として、要点をまとめると次のようになります。

変更内容としては、次の2つの電気事業法施行規則の告示を併用することを認めるというものになっています[1]

  • 自家用電気工作物の保安管理業務に関する講習を受講した場合に、電気主任技術者免状の種類に関わらず、必要従事期間が一律3年となる措置
  • 300kVA以下等の当該告示で掲げる電気工作物について保安管理業務を受託する場合に、必要従事期間を1年減じることができる措置

これによってどう変わるか

通常は第3種電気主任技術者であれば5年の実務経験を積まなければ電気管理技術者として働くことはできません。

しかし、保安協会などが実施している自家用電気工作物の保安管理業務に関する講習を受講すると、電気主任技術者免状の種類に関わらず、必要従事期間を一律3年とすることができます。

これにより、第3種電気主任技術者であれば2年、第2種電気主任技術者であれば1年必要な実務経験を短縮できます。

さらに、300kVA以下の電気工作物について保安管理業務を受託する場合は、必要従事期間を1年減じることができます。

つまり、第3種電気主任技術者の場合、保安管理業務に関する講習を受けることで電気管理技術者になるために必要な実務経験が3年でよくなり、さらに300kVA以下の保安管理業務の場合ここから1年短縮になり2年の実務経験でよくなります。

つまり、第3種電気主任技術者の場合、条件付きですが電気管理技術者になるために必要な実務経験を5年から2年にすることが可能ということです。

保安管理講習とは?

では、実務経験を短縮できる保安管理業務講習とはどういったものか説明して行きます。

保安管理業務講習は各地域の保安協会などが実施して、5日間で10万円以上する講習です。

この講習で試験器の使い方や点検の方法など電気管理技術者になるために必要な技術や知識を詰め込みます。

実務経験を2年にするプラン

では、実際に電気管理技術者として実務経験2年で働くためのプランを紹介します。

  1. 保安管理会社や工場の専任で2年の実務経験を積む
  2. 会社から実務経験証明書をもらう
  3. 保安管理業務講習を受けて修了証をもらう
  4. 実務経験証明書と保安管理業務講習の修了証を保安協会に出して300kVA以下の保安業務に従事したい旨を伝える。
  5. 300kVA以下で1年以上実務経験を積む
  6. 合計で3年の実務経験になるので300kVA以上の現場でも電気管理技術者として働くことができる。

実務経験を減らすメリット

実務経験を減らすメリットはなんといってもやはり、実務経験が足りない人でも電気管理技術者として働くことができることです。

ただし、今回紹介したようなやり方で2年の実務経験で電気管理技術として働くのはかなりめずらしいでしょう。

しかし、どうしても実務経験が足りないが電気主任技術者として働きたい人にとってはおいしい制度ですので、使うと良いと思います。

さいごに

今回は電気管理技術者になるための実務経験を2 年にするための方法を紹介しました。

電気管理技術者は近年減少の一途を辿っているので、なんとか増やそうとさまざまな制度が変更されたり、試験回数を増やしたりしています。少しでもはやく電気管理技術者になりたい人はそういった制度をうまく活用するとよいでしょう。

少ない実務経験で電気管理技術者になりたい人は参考にしてみてください。

参考文献

[1]経済産業省HP