この記事の目次
ケーブルルートを変更する時
では、ケーブルルートを変更するするときはどんなときがあるでしょうか。
主な理由になりそうな場面を上げて説明していきます。
ケーブルが古くなったが埋設されていてルートの特定不可能な時
使用しているケーブルが絶縁不良などにより交換する必要がでてきた。
でも、
埋設されていてケーブルルートまったくわからないじゃん!
という時があると思います。
そんなときは、いっそのことケーブルルートを持ってきやすいところから変更した方がいい場合もでてきます。
既設のキュービクルを壊す時
キュービクルが古くなり、撤去して新しいキュービクルをおく際もケーブルを入れ替える必要になることがあります。
新しく据え付けるキュービクルが既設のキュービクルから離れている場合は、ケーブルをもとのルートではもっていけないため新しいルートを検討しましょう。
新しい建物を建てる時に既設のケーブルが障害になる時
もともとケーブルを敷設しているところに建築物が建てることになるとケーブルを移動する必要が出てきます。
それか、別のキュービクルからケーブルをもって来た方が工事しやすいこともあるでしょう。
ケーブルルートの変更方法
これまで説明してきた状況にあてはまった方はケーブルルートの修正をしていくことになります。
では、ケーブルルートを変更する方法を順番に説明いきます。
使用している負荷の最大需要電力量を知る
まずは、ケーブルの接続先である負荷でどれくらいの電力を使用しているのか調べます。
この時注意しなければならないのが、キュービクルから直接つながっている主幹のブレーカーでどれだけ電力がかかっているか調べることです。誤って子ブレーカーの電力量で計算してしまうとケーブルの選定を間違ってしまうことがありますので、注意してください。
キュービクルの変圧器で空き容量があるか調べる
ケーブルを接続する先のキュービクルの変圧器で空き容量があるか確認します。
次の図のように変圧器に接続されているブレーカーの電流値に使用電圧をかけることで容量値をもとめることができます。
その容量を足して変圧器の容量値より小さければまだ変圧器に空きがあるため、ブレーカーを追加し新しいケーブルを接続することができます。
ケーブルの太さを決める
接続するケーブルの太さを決めるのは流れる電流値です。流れる電流値から次の式で電線の太さを求めます。
流れる電流値は、使用する最大電力量を使用電圧で割って求めましょう。
電圧降下は6%以内くらいに収める必要がありますので、電圧降下率には6% より小さい値を代入して計算するのが一般的です。
ブレーカー容量選定
取り付けるブレーカー容量を決めます。基本的には移設する場合は、もともと使用していたブレーカーの容量で問題ないです。
改めて容量を決め直したいという場合は、使用する最大負荷の1.2〜1.3倍の余裕を見て容量を決めましょう。
ブレーカーの選定方法は次の記事で詳しく説明していますので参考にしてください。
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工事方法
それでは次にケーブルを敷設する際の工事方法を見ていきます。ケーブルの移設はものによりますが、だいたい数日はかかるものが多いので事前の準備が肝心です。
停電する日を決める
ケーブルを接続する際は、停電して行う必要があります。そのため、まずは業者と打ち合わせをして何日間停電する必要があるか把握し現場の人と日程を調整しましょう。
停電操作
工事当日にまず行うのは停電操作です。
停電操作の方法は、いくつかありますがキュービクル全体を停電させる場合は次の方法が停電操作の一例になります。
- 分電盤ブレーカーをすべて落とす
- キュービクルのVCBをすべて遮断
- キュービクルに繋がるPASを遮断
- 断路器を遮断
ブレーカーを取り付ける
続いて空きがあった箇所の変圧器にブレーカーの取り付けです。使用していないブレーカーがもともとあった場合はそのブレーカーを使用できます。
ブレーカーを取り付ける場所があるか確認して、必要があれば取り付け工事を行いましょう。
配線
停電操作が終わったらいよいよ配線作業です。
配線はまずは、キュービグル〜分電盤間で通します。
最後に、ケーブルをブレーカーなどの端子に接続する流れになります。
耐圧試験
高圧ケーブルを入れ替えた場合は、耐圧試験も行います。
耐圧試験は、ケーブルが使用電圧に耐えられるか確かめるための試験で、専用の機器が必要です。
工事完了
耐圧試験で問題なければ、工事完了です。
これで新しく敷設した場所でケーブルを使用することができます。
さいごに
ケーブルを他の場所に通すだけでも、このように多くの手順があることがわかります。
今回の手順は一例のため他のやり方もありますので固執せず状況に合わせて柔軟に工事を進めましょう。