この記事の目次
CLTとは何か?
日本の深林資源を有効利用することが日本が今後幸せに暮らしていく道である。その一助となるのが今注目の最新木造建築技術者であるCLT材です。
CLTとは、Cross Laminated Timber の略称で、日本語では「直交集成板」という名称が決められています。木材の挽き板を平行に並べた層を、直交させながら厚さ方向に積層接着し、 分厚く大判の板材にしたものです。
CLTを用いるメリット
では、CLTを用いることのメリットはどんなことがあるのか見ていきましょう。
工期の短縮になる
CLTを用いない一般的な木造建築は柱と壁を別々で組み立てて家を建てていきます。
しかし、CLT材は分厚い一枚板のようになっているので柱と壁の両方の役割を一度に担うことができます。そのため、複雑な工程が要らず工期の短縮にも繋がります。
引用:一般社団法人日本CLT協会
林業の活性化
日本は国土の3分の2が森林となっており、多くの森林資源に恵まれています。
しかも、樹勢している木々のほとんどが木材として利用可能なほど成長しています。しかし、日本の木材の多くは海外からの輸入に頼っているのです。
そこで、日本の森林資源を有効に利用できれば、林業やその周辺産業の発展に繋がっていきます。
地球温暖化の防止
CO2は地球温暖化の主な原因と言われており、植物に吸収してもらうことが地球温暖化を防ぐ対策の一つです。
意外と知られていないかもしれませんが、木材は成長の早い若い木の方がより多くのCO2を吸収します。
そのため、CLT材をたくさん使用し、木材を循環させることで若い樹がより多くなり、CO2の吸収が進みより地球温暖化の防止に繋がります。
高層化が可能
CLT材は木材の挽き板を平行に並べた層を、直交させながら厚さ方向に積層接着し、 分厚く大判の板材としているためかなりの強度があります。
そのため、写真のビルのように強度な必要な高層の建物にも使用することができます。
引用:高層ビル事例集
CLTを用いるデメリット
メリットだけあげてもフェアじゃないのでデメリットも上げておきます。
デメリットはもちろんありますが、それを塗り替えるほどのメリットがあるので、心配しないでください。
コストが高い
まだまだ、発展途上な技術な分値段が高いです。
後にも述べますが、法整備が進めば多少値段は下がるでしょう。
施工性が悪い
一枚の板でできているため、配管を貫通させる位置はあらかじめ工場であけて現場に持っていきます。
現場で穴をあける際には特殊な工具が必要になり、現場での施工性は悪いです。
今後の課題
日本の木材を有効利用するための法律の制定も進んでいます。(脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律)
この法律により積極的に日本の森林資源を利用する流れが加速しています。
さらにCLTは丸太直径が小さい廃材でも利用できます。しかし、日本では規制が厳しいため間伐材を利用できていないのが現状です。
そのため、CLT材を利用するための法整備も重要になってきます。
さいごに
このようにCLT材は日本の林業を活性化させるだけでなく、無限の可能性を秘めています。